「ホームページはもうあるのに、LPも作ったほうがいいと言われた」「広告を出しているのに、申し込みが増えない」。店舗のオーナーや中小企業の担当者の方から、こうした相談をよく受けます。
この記事では、ランディングページ(LP)がなぜ必要なのかを、ホームページだけでは申し込みが増えにくい理由から解説し、自社に必要かの判断基準と、制作費の元が取れるかの計算方法も紹介します。
先に結論をお伝えすると、LPが必要なのは、広告やSNSから来た人を迷わせずに申し込みまで案内するためです。ただし、人を連れてくる経路がない会社や、売りたいものを1つに絞れない会社には、まだ早い場合もあります。
書き手は、株式会社アマテラス代表でLPコンサルタントの菅谷真一です。通算800本以上のLP制作を通じて、実店舗や中小企業の集客の受け皿づくりを支援してきました。
ランディングページはなぜ必要?結論は「来た人を迷わせず申し込みまで運ぶため」
ランディングページが必要な理由は、広告・SNS・チラシなどから来た人を、迷わせずに申し込みまで案内するためです。
広告やSNSの投稿をクリックした人は、「この話の続きが知りたい」という気持ちでページを開きます。その気持ちが冷めないうちに、知りたいことを順番に見せ、最後に申し込みボタンを置く。この役割に特化したページがLPです。
ホームページは会社案内やサービス一覧など多くの役割を兼ねているため、1つの商品を申し込んでもらう場面では回り道が増えます。広告費や手間をかけて集めた人を、回り道で失わないこと。これが、ホームページとは別にLPが必要とされる理由です。
【一次情報:菅谷が普段お客様にLPの役割を説明するときの一言】
ランディングページ(LP)とは?ホームページとの役割の違い
ランディングページ(LP)とは、訪れた人に1つの行動(購入・予約・資料請求・問い合わせなど)をしてもらうことに特化した、縦長1枚のWebページです。広告などのリンクから最初に着地(ランディング)するページなので、この名前が付いています。
ホームページとLPの違いは、ページが担う目的の数です。
- ホームページ:会社概要・サービス一覧・採用・お知らせなど、複数の目的を持つ。訪問者が自分で知りたいページを探す
- LP:目的は1つだけ。ほかのページへのリンクを減らし、上から読み進めると申し込みボタンにたどり着く
たとえるなら、ホームページは会社案内のパンフレット、LPは話す順番を決めて最後に申し込みをお願いする営業担当者です。
LPを目的別にどう使うかは、「ランディングページの活用方法8選」で詳しく紹介しています。
ホームページだけでは申し込みが増えない3つの理由
ホームページだけで申し込みが増えにくいのは、ホームページが「探してもらう」作りで、「申し込んでもらう」作りになっていないからです。広告やSNSから来た人の動きに沿って見ると、つまずく場所は主に3つあります。
理由1:クリックしたときの期待と、着地したページの内容がずれる
広告やSNSから来た人は、クリックした言葉の続きを探しています。たとえば、広告で「肩こりの初回体験」に惹かれた人が整体院のトップページに着地し、最初に院長のあいさつやお知らせの一覧が出てきたら、「さっきの体験の話はどこ?」と感じて閉じてしまいます。LPなら、広告と同じ言葉と画像をページの最初に置けるので、「ここで合っている」と安心して読み進めてもらえます。
理由2:知りたい情報を、訪問者に探させてしまう
申し込む前に人が知りたいのは、料金、自分に合うか、効果の根拠、ほかの人の声などです。ホームページではこれらが別々のページに分かれていることが多く、ページを移るたびに、そのまま離れてしまうきっかけが生まれます。LPはこれらを1ページにまとめるため、スクロールするだけで判断の材料がそろいます。
理由3:読んでもらう順番を決められない
人が申し込みを決めるまでには、「自分の悩みだと気づく → 解決できそうだと思う → 信じてよいと納得する → 今申し込む理由がある」という順番があります。ホームページは訪問者が好きな順に見るため、いきなり料金のページだけを見て「高い」と帰ってしまうこともあります。
LPは上から下へ読む1本道です。悩みへの共感、解決策、実績やお客様の声、料金、申し込みと、納得しやすい順番で伝えられます。
【一次情報:広告の行き先をHPからLPに替えて、申し込みが変わった例(業種・変更前後のおおよその数字)】
【一次情報:相談を受けたHPでよく見る問題(トップページに着地させていた、メニューが多すぎた など)】
ランディングページの効果(メリット)
ランディングページの効果は、同じ人数が来ても、申し込みにつながる割合を上げやすくなることです。主な効果は次の4つです。
- 申し込みの割合(CVR)が上がりやすい:迷う場所と回り道が減るため、訪れた人のうち申し込む人の割合を高めやすい。CVRとは、訪問した人のうち申し込みなどに至った人の割合のこと
- 広告費のむだを減らせる:同じ広告費でも申し込みが増えれば、1件の申し込みを取るのにかかる費用が下がる
- 成果を測って改善しやすい:目的が1つなので「何人来て、何人申し込んだか」がはっきりする。ファーストビュー(最初に表示される画面)やボタンの文言を1か所ずつ変えて比べられる
- スマートフォンで読みやすい:縦にスクロールするだけで読み進められる作りは、スマホとの相性がよい。総務省の令和7年通信利用動向調査では、スマートフォンを持つ世帯の割合は91.8%でした(出典:総務省「令和7年通信利用動向調査の結果」、2026年5月公表)
LPのデメリットと、作る前に知っておきたい注意点
LPのデメリットは、作るのに手間と費用がかかるうえ、LP単体では人が集まらないことです。作ってから後悔しないために、次の点を知っておいてください。
- LPだけでは集客できない:1つの目的に絞ったページなので、検索で上位に出るための情報量が少ない。広告・SNS・チラシなど、人を連れてくる経路とセットで考える
- 原稿づくりに手間がかかる:誰の、どんな悩みを、どの順番で解決するかを決めないと書けない
- 制作費と改善の手間がかかる:外注すれば制作費がかかり、公開後の改善にも時間とお金が要る
- 作りっぱなしでは成果が落ちる:広告を止めればアクセスはほぼ止まり、内容も古くなる
特に多いのは、集客の経路を用意しないままLPを作ってしまうケースです。LPは来た人を申し込みに変える仕組みであって、人を集める仕組みではありません。
【一次情報:LPを作ったのに成果が出なかった例と、その原因】
自社にLPは必要?判断するためのチェックポイント
自社にLPが必要かどうかは、「してほしい行動を1つに絞れるか」と「LPに人を連れてくる経路があるか」の2つでほぼ決まります。次の5つのうち、当てはまるものが多いほどLPを作る意味があります。
- 広告(Google・Instagram・Facebookなど)を出している、または出す予定がある
- してほしい行動が1つに決まっている(体験予約、資料請求、無料相談など)
- 売りたい商品・サービスを1つに絞れる、または主力がはっきりしている
- 申し込む前に説明を読んで納得してもらう必要がある(初めての人が多い、価格が安くない、効果が目に見えにくい)
- 広告やSNSから人は来ているのに、申し込みが少ない
反対に、次のような場合は、LPより先にやることがあります。
- 人を連れてくる経路がない:広告費をかけられず、SNSやチラシもない場合は、検索で見つけてもらうためのホームページやブログ、Googleビジネスプロフィール(Googleマップに出る店舗情報)の整備が先
- 商品が多く、1つに絞れない:カタログのように見比べてもらうなら、ホームページやECサイトのほうが合う
- 説明しなくても買われている:常連のお客様や紹介が中心なら、予約や注文のページを分かりやすくするだけで足りる場合がある
もう1つの目安は、誰が申し込むかです。私がMeta広告(Instagram・Facebookの広告)からLPに人を送る案件で見てきた範囲では、LPから申し込むのは、悩みは深いものの解決の手段をまだ知らない人が中心でした。何社も比べてから決める人が中心なら、比べやすい料金表や事例のページを先に整えるほうが合う場合があります。
【一次情報:相談を受けたが、LPより先に別の方法を勧めた例】
LPの費用対効果の考え方:何件の申し込みで元が取れるか
LPの費用対効果は、制作費を「申し込み1件あたりの利益」で割り、何件で元が取れるかを計算すると判断しやすくなります。制作費の金額だけを見て高い・安いと決めると、判断を誤ります。
計算は次の3ステップです。
- お客様1人から得られる利益を出す(1回の粗利 × 平均の利用回数)
- 申し込みのうち、実際にお客様になる割合を掛けて、申し込み1件あたりの利益を出す
- 制作費を、申し込み1件あたりの利益で割る
仮の数字で計算してみます(数字はすべて説明のための例です)。
- 1回の料金8,000円、粗利率70%の整体院:1回の粗利は5,600円
- 初めてのお客様は平均5回通う:お客様1人あたりの粗利は28,000円
- 体験に申し込んだ人の半分が通い始める:申し込み1件あたりの利益は14,000円
- LPの制作費が30万円の場合:30万円 ÷ 14,000円 = 約22件
この例では、LPからの申し込みが約22件で制作費の元が取れます。月に5件増えれば、5か月弱で回収できる計算です。広告を使う場合は、広告費もこの「元を取るべき費用」に加えて考えます。
大切なのは、1回の売上ではなく、お客様が何回通うか(LTV:顧客生涯価値)で考えることです。単価が低くてもリピートが多い商売なら、少ない申し込みで元が取れます。依頼先を比べるときも、金額だけでなく「何件取れれば元が取れるか」を先に出してから比べてください。
【一次情報:実際の案件での、制作費・申し込み数・回収までの期間の例】
【一次情報:アマテラスのLP制作料金の目安】
よくある質問
Q. ランディングページの効果は何ですか?
ランディングページの効果は、広告やSNSから来た人のうち、申し込みに至る割合を上げやすくなることです。迷う場所や回り道が減り、伝える順番を設計できるためです。
Q. ランディングページのデメリットは何ですか?
ランディングページのデメリットは、制作に手間と費用がかかることと、LP単体では検索から人が集まりにくいことです。そのため、広告・SNS・チラシなど、人を連れてくる経路とセットで使う必要があります。
Q. ホームページがあれば、LPは作らなくてもいいですか?
広告やSNSで申し込みを集めたいなら、ホームページとは別にLPを作るほうが成果を出しやすくなります。ホームページは複数の目的を兼ねるため、申し込みに向けた順番で情報を見せにくいからです。紹介や常連のお客様が中心なら、ホームページの予約・問い合わせの導線を見直すだけで足りることもあります。
Q. LP1ページの相場はいくらですか?
LP1ページの制作費は、ページの長さ、原稿作成や写真撮影を含むかどうか、依頼先によって大きく変わります。金額だけで判断せず、「何件の申し込みで元が取れるか」を計算してから比べるのがおすすめです。
まとめ
- ランディングページが必要なのは、広告やSNSから来た人を迷わせずに申し込みまで案内するため
- ホームページだけでは「期待とのずれ」「情報を探させる」「順番を決められない」の3つの理由で、申し込みが増えにくい
- LPは申し込みの割合を上げやすい一方、LP単体では人が集まらないため、集客の経路とセットで考える
- 自社に必要かは「してほしい行動を1つに絞れるか」と「人を連れてくる経路があるか」で判断する
- 制作費は、何件の申し込みで元が取れるかを計算してから判断する
自社にLPが必要か迷ったら、まずは「誰に、どの行動をしてほしいか」と「その人をどこから連れてくるか」を書き出してみてください。アマテラスでは、LPが必要かどうかの整理から、制作、公開後の改善まで支援しています。これまでの制作実績もご覧いただけます。ご相談や資料のご請求はお問い合わせからどうぞ。小さく始めたい方には、Studioを使った簡易サイト制作もご用意しています。
