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ランディングページ(LP)制作費の勘定科目と仕訳|資産計上になる例も解説

LPの制作を外注したものの、請求書を前にして「これは何の勘定科目で処理すればいいのか」と手が止まっていませんか。金額が数十万円になると、全額をその年の経費にしてよいのかも気になるところです。

この記事では、ランディングページ(LP)制作費の勘定科目、資産計上が必要になるケース、仕訳例、運用でかかる費用の扱いを整理します。あわせて、経理や税理士が迷わない見積書・請求書の分け方を、制作する側の立場からお伝えします。

先に結論です。LP制作費は、原則として「広告宣伝費」で処理します。資産計上を考えるのは、予約・決済・会員などのプログラム機能を作った部分と、1年を超えて一度も更新しないまま使うLPの場合です。

書いているのは、株式会社アマテラス代表でLPコンサルタントの菅谷真一です。通算800本以上のLP制作に携わってきました。税務の最終判断は、顧問の税理士にご確認ください。

LP制作費の勘定科目は原則「広告宣伝費」

LP制作費の勘定科目は、原則として「広告宣伝費」です。支払った年(事業年度)の費用として、全額を計上するのが基本になります。

ランディングページ(LP)とは、広告や検索から訪れた人に、申し込み・購入・問い合わせといった1つの行動をしてもらうための縦長のWebページです。チラシやWeb広告と同じく、商品やサービスを知ってもらい、売上につなげるために作るものなので、広告宣伝費として扱うのが自然です。

この考え方には根拠があります。国税庁のタックスアンサーには、かつてホームページの制作費用についてのQ&Aが掲載されていました(現在は削除)。そこでは、ホームページは頻繁に更新されるため制作費の効果が1年以上に及ばないと考えられ、原則として支出時の損金にする、とされていました(記録:東京クラウド会計税理士事務所)。

LPはホームページ以上に広告の色が強いページです。上記の税理士事務所も、LPは原則として広告宣伝費の処理になるとの見解を示しています。

広告宣伝費で処理できるLPの条件

LP制作費を広告宣伝費で処理できるのは、商品やサービスの宣伝が目的で、プログラム機能を作っていないLPです。具体的には、次のようなLPが当てはまります。

  • 商品・サービスの販売や集客のためのLP:広告やSNSから来た人を、申し込みや問い合わせに案内するページ
  • 期間限定のキャンペーンLP:セール、イベント、モニター募集など、使う期間が決まっているページ
  • 公開後に改善を続けるLP:広告の成果を見ながら、見出し・画像・ボタンを差し替えていくページ
  • 一般的な問い合わせフォームが付いたLP:名前やメールアドレスを入力すると自社にメールが届く程度のフォームは、広告宣伝の一環として扱われるのが一般的です(出典:東京クラウド会計税理士事務所)

制作の現場から見ると、LPは「作って終わり」ではなく、公開後に直し続けるのが前提のページです。広告の数字を見ながら改善していくLPであれば、「制作費の効果が1年以上に及ばない」という広告宣伝費の考え方にもよく合います。

【一次情報:AMATERASで納品したLPが、公開後どのくらいの頻度で・どこを改善しているか(例:〇か月以内にファーストビューを差し替えることが多い)を入れる】

資産計上が必要になる2つのケース

LP制作費でも資産計上が必要になるのは、「プログラム機能を作った部分」と「1年を超えて更新しないまま使う場合」の2つです。

ケース1:予約・決済・会員などのプログラム機能を作った

LPの中で、予約システム、決済機能、会員ログイン、商品検索といったプログラムを独自に開発した場合、その部分はソフトウェアに当たります。ソフトウェアは無形固定資産で、自社で使うものの耐用年数は5年です(出典:国税庁 No.5461 ソフトウエアの取得価額と耐用年数)。

注意したいのは、ソフトウェアになるのは「プログラムの部分だけ」という点です。デザインや文章の部分は、引き続き広告宣伝費で処理できます。ただし、請求書の上で金額を分けられないと、全体をソフトウェアとして資産計上する必要があるとされています(出典:東京クラウド会計税理士事務所)。

ただ、弊社の経験上、予約システムなどを一から作成することはほぼなく
既存のシステムを導入することが9割以上になります

ケース2:1年を超えて一度も更新しないまま使う

公開してから内容を一度も変えず、1年を超えて使い続けるLPは、制作費の効果が長く続くと考えられます。この場合は、繰延資産として使う期間に応じて分けて費用にする扱いになります。

ただし、繰延資産でも支出額が20万円未満なら、支出した年の費用にできるとされています(出典:東京クラウド会計税理士事務所)。広告を回しながら改善していく通常のLPであれば、このケースに当たることはあまりありません。

【2026年4月改正】少額減価償却資産の特例は40万円未満に

2026年(令和8年)4月1日以後に取得した資産は、中小企業者等の少額減価償却資産の特例の基準が「30万円未満」から「40万円未満」に引き上げられました(出典:国税庁 No.5408)。LPのプログラム部分がソフトウェアに当たる場合も、この特例の対象になります。

ソフトウェアに当たる部分の金額ごとの扱いは、次のとおりです。

  • 10万円未満:取得した年に全額を費用にできます(出典:国税庁 No.5403)
  • 10万円以上20万円未満:全額を3年間で均等に費用にする「一括償却資産」を選べます(出典:国税庁 No.5403)
  • 10万円以上40万円未満:青色申告をしている中小企業者等なら、年間合計300万円までは取得した年に全額を費用にできます。対象は2029年(令和11年)3月31日までに取得した資産です(出典:国税庁 No.5408)
  • 上記に当たらない場合:ソフトウェアとして資産に計上し、5年で減価償却します

個人事業主も、青色申告者であれば同じく10万円以上40万円未満の特例が使えます。2026年3月31日までに取得したものは30万円未満が基準です(出典:国税庁 No.2100 減価償却のあらまし)。

なお、この特例は「資産に当たるかどうか」を決めた後の話です。広告宣伝費で処理できる通常のLP制作費には、金額の上限はありません。

LP制作費の仕訳例

LP制作費の仕訳は、「広告宣伝費だけ」「ソフトウェアと分ける」「着手金を先に払う」の3パターンを押さえておけば足ります。以下は、消費税を考えない簡単な例です。

例1:通常のLPを制作し、50万円を振り込んだ

  • 借方:広告宣伝費 500,000円
  • 貸方:普通預金 500,000円

例2:LPと予約システムをまとめて依頼し、120万円を振り込んだ

請求書の内訳は、LP部分が70万円、予約システム部分が50万円とします。

  • 借方:広告宣伝費 700,000円/ソフトウェア 500,000円
  • 貸方:普通預金 1,200,000円

ソフトウェアの50万円は40万円以上なので、特例は使えません。5年で減価償却します。

例3:着手金として半額の25万円を先に振り込み、翌月に納品された

  • 支払ったとき:借方 前払金 250,000円/貸方 普通預金 250,000円
  • 納品されたとき:借方 広告宣伝費 500,000円/貸方 前払金 250,000円・普通預金 250,000円

まだLPが完成していない段階の支払いは、「前払金」でいったん計上します。完成して公開できる状態になったときに、広告宣伝費へ振り替えるのが一般的です。決算をまたぐ場合は、とくに税理士に確認してください。

LPの運用でかかる費用の勘定科目

LPは公開後も、サーバー代や広告費、改善の費用がかかります。主な費用と、一般的に使われる勘定科目は次のとおりです。

  • サーバー代・ドメイン代・SSL証明書:通信費、支払手数料、広告宣伝費など
  • Web広告の出稿費:広告宣伝費
  • 広告運用の代行手数料:広告宣伝費、支払手数料など
  • LPの改善(文章・画像の差し替え、ABテスト)の制作費:広告宣伝費
  • ヒートマップやABテストのツールの月額料金:通信費、支払手数料、広告宣伝費など
  • Studioなどのノーコードツールの利用料:通信費、支払手数料など。たとえばStudioのMiniプランは年払いで月590円です(出典:Studio 料金ページ、2026年10月時点)
  • 写真素材・イラスト素材の購入費:広告宣伝費

運用費の勘定科目には、法律で決まった正解はありません。大切なのは、一度決めた科目を毎年同じように使い続けることです。年によって科目が変わると、費用の推移を比べにくくなります。

制作会社に頼むときの見積書・請求書の分け方

経理で迷わないためには、制作を頼む段階で「広告の部分」と「プログラムの部分」を分けた見積書と請求書をもらうことが一番の近道です。後から内訳を分けてもらうのは、制作会社にとっても手間がかかります。

LPの見積書は、次のような項目に分かれていると処理しやすくなります。

  • 企画・構成:誰に何を伝えるか、ページの順番を決める費用
  • コピー(文章):見出しや本文を書く費用
  • デザイン:ページの見た目を作る費用
  • コーディング:デザインをWebページとして動く形にする費用
  • フォームの設置:問い合わせフォームを付ける費用
  • システム開発:予約・決済・会員機能などのプログラムを作る費用
  • 外部ツールの設定:広告のタグ、アクセス解析、予約サービスなどをつなぐ費用

このうち、企画からフォームまでは広告宣伝費で処理しやすい項目です。システム開発はソフトウェアに当たる可能性がある項目です。システム開発が入る場合は、その金額だけを別の行にしてもらいましょう。

また、制作費と月々の費用(サーバー代、改善の費用、ツールの料金)は、別の請求書にしてもらうと、毎月の仕訳が楽になります。

よくある質問

Q. LP制作費が100万円でも広告宣伝費にできますか?

はい、プログラム機能を含まない通常のLPであれば、金額にかかわらず広告宣伝費で処理するのが原則です。資産になるかどうかは金額ではなく、何を作ったかで決まります。高額な場合ほど、内訳の分かる見積書と請求書を残しておきましょう。

Q. 個人事業主もLP制作費を広告宣伝費にできますか?

はい、事業の宣伝のためのLPであれば、個人事業主も広告宣伝費として必要経費にできます。プログラム部分の扱いも法人と同じ考え方で、青色申告者なら40万円未満の特例が使えます(2026年4月1日以後の取得分)。開業前に支払った費用は扱いが変わることがあるので、税理士に確認してください。

Q. LPのリニューアル費用はどう処理しますか?

文章やデザインを作り直すリニューアルであれば、広告宣伝費で処理するのが一般的です。一方で、予約や決済などのプログラム機能を新しく加える場合は、その部分がソフトウェアに当たる可能性があります。

Q. 月額制のLP制作サービスの料金は何の科目ですか?

毎月の利用料として払う月額制のサービスは、支払った月の費用として、広告宣伝費や支払手数料などで処理するのが一般的です。ただし、契約の中身が「制作費の分割払い」になっている場合は、制作費としての扱いを考える必要があります。契約書で、何に対する支払いかを確かめてください。

まとめ

  • LP制作費の勘定科目は、原則として「広告宣伝費」
  • 予約・決済・会員などのプログラム機能を作った部分は、ソフトウェア(耐用年数5年)として資産計上する
  • 2026年4月1日以後の取得分から、中小企業者等の少額減価償却資産の特例は40万円未満に広がった
  • 見積書・請求書は「広告の部分」と「プログラムの部分」を分けてもらうと、経理で迷わない
  • 運用費の科目は、一度決めたら毎年同じものを使い続ける

AMATERASでは、LPの企画・コピー・デザインから公開後の改善まで、まとめてご相談いただけます。見積書の内訳の分け方についても、ご相談ください。これまでの制作例は制作実績を、ご相談やお見積もりはお問い合わせからお気軽にどうぞ。

菅谷真一

株式会社アマテラス 代表取締役/LPコンサルタント。通算800本以上のLP制作を通じて、実店舗・中小企業の広告集客・SNS集客の受け皿づくりを支援。Studioを使った簡易サイト制作も手がける。

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