先日LPのデザインをご依頼いただいた、アウトスタンディングパートナーズの松尾さんをお招きして、対談を行いました。
松尾さんは大阪でWebマーケティング会社を経営されている、いわば「LPを発注する側」のプロです。
今回の制作へのレビューはもちろん、どんなデザイナーが発注者から重宝されるのか、生の声を伺いました。
松尾さん:アウトスタンディングパートナーズ代表。
大阪でWebマーケティング会社を経営。
菅谷:LPデザイナー。
株式会社アマテラス代表。
依頼の決め手は「スピード」と「反応が取れるデザイン」
菅谷:今回ご依頼いただくにあたって、どんな点を評価していただいたのか、率直に伺いたいです。
松尾さん:大きく2つあります。
1つはスピードですね。
とにかく早い。
もう1つはデザイン力なんですが、もっと言うと「反応が取れるデザイン」だという点です。
原稿をきちんと活かしつつ、余白の取り方がうまくて、スクロールしたときに情報がすっと入ってくる。
それから幅の広さですね。
かっこいい男性向けのデザインから、本当に菅谷さんが作ったのかと疑うくらい可愛いデザインまで作れる。
その幅広さも、お願いしたいと思った理由です。
社内にデザイナーがいても、外部に頼んだ理由
菅谷:検討の段階で、ほかに候補のデザイナーさんはいらっしゃいましたか?
松尾さん:うちはデザイナーを社内に抱えているので、比べたのはむしろ自社のデザイナーです。
今回は急ぎのプロモーションだったのに、社内の案件が詰まっていたのが1つ。
もう1つは、得意・不得意の問題です。
うちのデザイナーは女性向けのデザインがとても得意なんですが、今回は40代以降の男性経営者がターゲットのコンサルティング商材で、すっきりとした、パキッとかっこいいデザインが必要でした。
そういうオフィシャル感の強いデザインができる人は、世の中を見渡しても少ないと感じています。
美容系や女性向けのデザインは、きれいな素材や写真を使えば、ある程度デザイン性があるように見せられる。
でも、コピーが主体で、文字組みで見せるデザインはごまかしが効かないんですよね。
菅谷:コピーを主役にして、文字組みをきれいに見せていくデザインは、確かにできる方が少ないと僕も思っています。
そこはこだわっている部分なので、評価していただけてうれしいです。
取引して良かった点:初稿の早さと、細部の作り込み
菅谷:実際にお取引してみて、良かったと感じた点はありますか?
松尾さん:まずは、初稿が上がってくるのが本当に早かったことです。
それと、こちらの原稿をきちんと汲んで組んでくれていると感じました。
少しマニアックな話になりますが、ベタ(背景を1色で塗る部分)の色の使い方がうまいですし、「期間限定」などのリボンの作り方もきれいです。
どこを大きくして、どこを大きくしないかというジャンプ率や文字組み、余白の取り方も含めて、とても気に入っています。
デザインの力は、数字にも表れている
松尾さん:実際、数字にも表れています。
まだプロモーションの途中ですが、リストから説明会への移行率が20%近く出ていて、かなり良い数字です。
経営者層がターゲットなのでリストの獲得単価はそれなりにかかっていますが、説明会への移行率が高いので、説明会1件あたりの獲得コストもどんどん下がってきています。
販売している商材は100万円近いので、成約率30%でも1件10万円以下で獲得できる計算で、最初から広告の費用対効果はかなり出ています。
デザインの力も大きいと思っています。
あえて言うなら:「売れっ子」ゆえの悩み
菅谷:逆に、至らなかった点や、もっとこうしてほしかった点があれば、今後のために教えてください。
松尾さん:正直ほとんどないんですが、あえて言うなら、菅谷さんは売れっ子なので忙しいだろうな、ということくらいです。
おいしいお店には並びたくない、というわがままみたいなものですね(笑)。
あとは、クオリティを考えると金額はむしろ安いと思っているんですが、予算が限られている方もいると思うんです。
たとえば菅谷さんのお弟子さんのような方がいて、「弟子価格」のような選択肢があれば、喜ぶ人はいるんじゃないかと思いました。
菅谷:予算が合わずにお断りすることもあるので、ちょうど育成中のデザイナーにお任せできる体制を考えていたところでした。
とても参考になります。
発注者から見た「頼みにくいデザイナー」
菅谷:これまでに出会った中で、「この人には発注しにくい」と感じたデザイナーの特徴はありますか?
松尾さん:あまりいないんですが、あえて言うなら、LPの知識はきちんと持っていてほしいですね。
たとえばコーディングができず、画像だけ送ってくる方。
こちらでWordPressに組む手間がかかりますし、テキストまで全部画像だとLPが重くなってしまいます。
LPデザインを請けるなら、できればコーディングしてサーバーにアップする、あるいはWordPressに実装するところまでできるとうれしいです。
菅谷:デザイナーとして、WordPressの知識はどこまで必要だと思われますか?
松尾さん:正直そこまでは要らないです。
ただ、広告の数字を正しく計測する仕組み(コンバージョンAPIなど)を考えると、WordPressで実装できるほうが望ましい。
テーマを開発する必要はまったくなくて、WordPressにLPを載せられれば十分だと思います。
重宝されるのは「マーケティングを考えるデザイナー」
菅谷:逆に、今後外注先を増やすとしたら、どんなデザイナーがいるとうれしいですか?
松尾さん:菅谷さんみたいなデザイナーがたくさんいたらうれしいです(笑)。
そのうえで言うと、マーケティングがまったく分からないとなると、少ししんどいですね。
うちの社内デザイナーは「このコピー、こう直してもいいですか?」と自分から提案してくれるんですが、それが本当に助かっています。
マーケティング会社でも、細かい原稿まで見切れないことはありますから。
菅谷:デザイナーの間では「コピーに口を出すのは越権行為」という認識もあるのですが、提案はうれしいものなんですね。
松尾さん:口を出すというより、気になったことを伝えてくれるのがうれしいんです。
「ここはなぜこうなっているんですか?」と聞いてくれるだけでもいい。
ケチをつけるのではなく、「こうしてみたらどうですか」という提案ですね。
マーケッターとデザイナーの出会い方
菅谷:これから案件を獲得したいデザイナーは、松尾さんのようなマーケッターとどこで接点を持てばいいでしょうか?
松尾さん:僕が初めてデザイナーに依頼したのは、起業して間もない7年ほど前で、そのときはランサーズを使いました。
応募してくれた中で、こちらが頼む前に「作ってみました」とサンプルを出してくれた方がいて、その方にお願いしました。
菅谷さんとはSNSがきっかけでしたし、紹介で依頼したこともあります。
なので、SNS、紹介、そしてランサーズのようなサービスが接点になると思います。
なぜ、そこまでデザインを重視するのか
菅谷:マーケッターや広告運用者の中にも、デザインを重視する方とそうでない方がいると思います。
松尾さんがデザインを重視される理由を教えてください。
松尾さん:リストの獲得単価(CPA)を下げたいだけなら、正直、作り込まないショートのLPのほうが安く取れます。
ただ、そうすると中身のないリストが集まりやすい。
大事なのはリストの数ではなく、1件あたりの売上です。
CPAを下げることに躍起になるのは広告運用者で、マーケッターは最終的に利益が合うかどうかを見ます。
事業全体を考えるのがマーケッターだと思っています。
1つの案件に年間1,000万〜2,000万円の広告費をかけるとなると、デザインの力で登録率が1〜2%上がるだけでも売上は大きく変わります。
マイクロコピーを少し変えるだけでCPAが下がることもある。
広告をしっかりかけている会社ほど、デザインを意識すると費用対効果も、集まるお客様の質も良くなります。
良いお客様とお付き合いしたいので、そこは大事にしています。
