「初期費用0円、月々3万円で」と勧められて結んだホームページの契約が、よく見ると8年契約だった。集客にもつながらず、やめたいのにやめられない。店舗や小さな会社の経営者から、こうした話を聞くことがあります。
この記事では、ホームページの8年契約の仕組みを3つの型に分け、契約書で確かめる項目、契約した後に取れる選択肢、相談先までを順にまとめました。
先に結論をお伝えします。ホームページの8年契約は、途中解約が原則できない形になっていることが多いです。それでも、契約の相手方と中途解約の条件を確かめれば、「保守だけ外す」「満了までに乗り換えを準備する」など、打てる手が見えてきます。
書いているのは、株式会社アマテラス代表でLPコンサルタントの菅谷真一です。通算800本以上のLP制作を通じて、実店舗・中小企業の集客の受け皿づくりに携わってきた立場からお伝えします。なお、解約できるかどうかの最終的な判断は契約内容によって変わるため、弁護士などの専門家に確認してください。
ホームページの8年契約とは?よくある3つの契約の型
ホームページの8年契約とは、制作費や保守費を96か月の月額払いにして、その期間は解約できない、または解約すると残りを一括で払う形にした契約のことです。中身は、主に次の3つの型に分かれます。
- リース契約:リース会社・販売店(制作会社や営業会社)・利用者の三者で結ぶ契約です。ホームページは形のないものなので、実際にはホームページ作成ソフトやパソコンなどを「物件」にして契約していることがあります
- 信販会社の分割払い(クレジット契約):制作会社に支払う代金を、信販会社が立て替え、利用者が信販会社に分割で返す形です
- 制作会社との直接の長期契約:信販会社などを通さず、制作会社と「月額〇万円・8年」の契約を直接結ぶ形です。規約に「期間中は解約不可」「解約時は残額を一括請求」と書かれていることが多いです
3つの型のどれかで、お金を払う相手と、話をすべき相手が変わります。最初に、自分の契約がどれに当たるかを契約書で確かめましょう。
ホームページの8年契約が割高になりやすい理由
ホームページの8年契約が割高になりやすい理由は、月額が小さく見えても、総額は数百万円になるからです。たとえば月額別の8年(96か月)の総額は次のとおりです。
- 月額2万円:192万円
- 月額3万円:288万円
- 月額4万円:384万円
一方、小規模事業者のホームページは、5ページ前後なら作成費用10万〜30万円の範囲で作れるケースが多くあります(詳しくはホームページ作成費用の相場を解説した記事)。同じホームページでも、払い方によって総額が10倍近く変わることがあります。
さらに、期間の長さそのものにも無理があります。Web制作会社の合同会社ぼんどは、サイトの寿命自体が3〜5年程度で、その頃には作り直しを考える時期に入ると説明しています(出典:合同会社ぼんど「ホームページ制作で損をしない契約チェックリスト」、2026年)。8年契約だと、古くなったホームページに残りの数年分を払い続けることになりかねません。
また、リース契約の場合、物件の所有権は期間が終わってもリース会社にあります(出典:経済産業省「ホームページソフトなどのリース契約はしっかり考えてから」)。払い終えても、ホームページやドメインが自分のものにならないことがあるのです。
まず契約書で確かめる6つの項目
8年契約を見直すときは、まず契約書と規約で次の6つを確かめてください。どの選択肢を取れるかは、ここで決まります。
- 契約の相手方:お金を払っている先は、リース会社・信販会社・制作会社のどこか。契約書の社名と、口座から引き落としている先を見比べます
- 契約期間と自動更新:いつ始まり、いつ終わるか。満了後に自動で延長される条項はないか
- 中途解約の条件:途中でやめた場合に払う金額。「残りの月額の全額」なのか、「一部」なのか
- ドメインとサーバーの名義:ホームページの住所(ドメイン)と置き場所(サーバー)が、自社名義か制作会社名義か
- データと著作権の扱い:解約や満了のときに、ホームページの文章・写真・データを受け取れるか
- 月額に含まれるもの:制作代金の分割分と、保守・更新の費用が分かれているか
とくに大切なのは4つ目のドメインです。ドメインが制作会社の名義のままだと、ホームページを作り直してもアドレスを引き継げず、検索順位やお客様に伝えていたURLを失うおそれがあります。
【一次情報:長期契約の見直し相談で、実際に契約書のどこが問題になったか(固有名詞は伏せて)を入れる】
ホームページの8年契約は途中で解約できる?
ホームページの8年契約は、途中で解約できない、または解約すると残額を一括で払う、という条件になっていることが多いです。リース契約でも、制作会社との直接の契約でも、この点は同じ傾向です。
クーリング・オフで解約できると考える方もいますが、特定商取引法は、営業のために結ぶ契約を適用の対象から原則として外しています(出典:特定商取引に関する法律 第26条(e-Gov法令検索))。お店や会社のホームページの契約は、事業者どうしの取引として扱われるのが一般的です。
ただし、次のような場合は、契約の取り消しや支払いの拒否を争える余地があるとされます。
- 勧誘のときの説明が、契約書の内容と大きく違っていた
- 約束されたホームページが作られていない、または公開されていない
- 契約内容と実際の請求額が合わない
こうした事情があるかどうかの判断は、法律の専門家でないと難しいところです。思い当たる点があれば、自分だけで判断せず、次に紹介する相談先に早めに連絡してください。
契約してしまった後に取れる5つの選択肢
ホームページの8年契約をしてしまった後でも、取れる選択肢は大きく5つあります。どれを選ぶかは、先ほどの6項目の確認結果によって変わります。
- 保守・更新の部分だけを外す:月額が「制作代金の分割分」と「保守費」に分かれていれば、保守費だけ解約できる場合があります
- 契約先と条件を交渉する:使っていない機能を外す、月額を下げるなど、契約先に条件の見直しを申し入れます。やり取りは記録が残るメールや書面で行います
- 信販会社に返済計画を相談する:分割払いの支払いが苦しい場合は、制作会社ではなく信販会社に直接相談します
- 満了まで使いながら、乗り換えを準備する:解約が難しい場合は、今のホームページを使い倒しつつ、満了の時期に合わせてドメインやデータの引き継ぎを準備します
- 弁護士に対応を任せる:説明と違う、作られていないなど、争う余地がある場合は、弁護士を通して申し入れます
どの場合も、契約書、規約、見積書、勧誘のときの資料、請求書、やり取りのメールは捨てずに保管しておきましょう。
相談先と、相談する前にそろえるもの
ホームページの8年契約の相談先は、契約の型と、困っている内容によって選びます。主な相談先は次のとおりです。
- リース契約の場合:公益社団法人リース事業協会の「リース相談窓口」(03-3595-2801)。相談は電話のみで、受付は当面、平日10時〜12時です(出典:リース事業協会「小口リース対応」、2026年10月時点)
- 法律上の問題があるか知りたい場合:法テラス(日本司法支援センター)のサポートダイヤル(0570-078374)で、問題に合った相談窓口を案内してもらえます
- 取り消しや支払い拒否を争いたい場合:契約トラブルを扱う弁護士。お住まいの地域の弁護士会でも相談を受け付けています
- 経営の立て直しも含めて相談したい場合:国が設けている中小企業の無料経営相談窓口「よろず支援拠点」
- 個人事業主の場合:自治体によっては、消費生活センターが事業者の相談に応じていることもあります。お住まいの自治体の窓口に確認してください
相談の前に、契約書の写し、毎月の支払額と残りの回数、勧誘から契約までの経緯のメモ(いつ・誰に・何と言われたか)をそろえておくと、話が早く進みます。
満了後・乗り換えで同じ失敗をしないために
8年契約の満了や乗り換えで同じ失敗をしないためには、次のホームページを「自分の名義で持てる形」で作ることが大切です。具体的には、次の3点を押さえます。
- ドメインを自社名義で持つ:今のドメインを使い続けたい場合は、満了の数か月前から、移管(管理会社を移すこと)の手続きと必要な認証コードの受け取りを契約先に申し入れます
- データを手元に残す:文章・写真・ロゴなどの元データを、満了前に受け取っておきます
- 月額の縛りが短い作り方を選ぶ:作成費用を一度払い、あとはサービスの利用料とドメイン代だけで維持できる形にすれば、長期の縛りはなくなります
たとえば、ノーコードの作成サービスStudioは、独自ドメインで公開できる「Mini」プランが年払いで月590円、月払いで月1,290円です(出典:Studio 料金ページ、2026年10月時点)。利用料はStudioに直接払うため、制作会社との長期契約に縛られません。
私たちAMATERASの「Studio簡易サイト制作」では、今のサイトの文章や写真を移して作り直す乗り換えプランを180,000円〜(税別)でお受けしています。公開後は、営業時間やメニューを画面の文字を書き換えるだけで更新できます。
【一次情報:長期契約から乗り換えた事例(業種、元の月額と期間、乗り換え後の月々の費用、ドメインを引き継げたか)を入れる】
よくある質問
Q. ホームページの8年契約は一般的ですか?
一般的とは言えません。Web制作では、作成費用を一括か短い分割で払い、保守は月額で必要な分だけ契約する形が多いです。8年という長さは、サイトの見直し時期の目安とされる3〜5年を大きく超えています。
Q. 8年契約のホームページは、満了したら自分のものになりますか?
契約内容によります。リース契約では、期間が終わっても物件の所有権はリース会社にあります。ドメインやデータを受け取れるかどうかは、契約書の該当する条項で確かめてください。
Q. 支払いを止めたらどうなりますか?
自己判断で支払いを止めるのは避けてください。契約によっては、残額の一括請求や遅延損害金の対象になることがあります。支払いに問題があると考える場合は、止める前に弁護士などに相談しましょう。
Q. 契約中に、別の会社でホームページを作り直してもいいですか?
作り直すこと自体はできますが、今の契約の支払いは続きます。ドメインが今の契約先の名義だと、新しいホームページで同じアドレスを使えないことがあります。先にドメインの名義と移管の条件を確かめてください。
まとめ
- ホームページの8年契約は、リース、信販会社の分割払い、制作会社との直接の長期契約の3つの型に分かれる
- 月3万円の8年契約なら総額は288万円で、一般的な作成費用の10倍近くになることがある
- 途中解約は原則難しく、事業者の契約はクーリング・オフの対象外とされる
- まず契約の相手方・中途解約の条件・ドメインの名義を確かめ、保守だけ外す、乗り換えを準備するなどの手を選ぶ
- 説明と違う、作られていないといった事情があれば、早めにリース事業協会や弁護士に相談する
満了や乗り換えに向けて、長期の縛りがない形でホームページを持ち直したい方は、Studio簡易サイト制作をご覧ください。今の契約内容を踏まえた乗り換えのご相談は、お問い合わせから無料で承っています。
